「三郎君は、『どんなことがあってもちゃんとやる』っていったんだから、インフルエンザにかかったとしても、ゲームカードを渡さないといけない。」「宿題は、もともと自分がやるもの、約束自体おかしい」(「実録!法教育」より)
小学生にとって身近な設問を使って、約束(=契約)の意義について考えつつ、一郎君、次郎君、三郎君の間で起こった紛争を解決する方法をみんなで模索します。
裁判って何?どうして悪いことをすると警察に捕まるの?
契約っていったいなに?友達と約束をしたんだけど、どんな約束でも守らないといけないのかな?
リーガルパークでは、小学生にとって身近な事例で、法的な価値・原則を理解しつつ、もめごとが生じたときに解決するための法的な思考方法を身につける授業を行います。
△△小学校に通う6年生の一郎君、二郎君、三郎君は、幼稚園のときからの大の仲良しで、いつもいっしょに遊んでいます。
2学期最後の日、先生から冬休みの宿題がいっぱい出されました。ところが、3人とも勉強が大嫌い。どんなに時間があっても宿題なんかする気がおきません。
そこで、考えた3人は、ジャンケンで負けた人が宿題をやって、それをほかの2人が見せてもらおうと決めました。
ジャンケン、ポン! 三郎君が負けてしまいました。一郎君と二郎君は大喜び。でも、三郎君が本当に冬休みに宿題をやってくるのか心配です。「ゼッタイ、宿題やってきてよ。もしやらなかったら、三郎君の一番大切なもの、僕たちがもらうからね。」と一郎君と二郎君。「分かってる。どんなことがあってもちゃんとやるよ。」と、やや押され気味の三郎君。
さて、明日から3学期という冬休み最後の日、一郎君と二郎君は、宿題を見せてもらいに三郎君の家に行きました。ところが……。三郎君はインフルエンザにかかってしまい高熱で寝込んでいます。もちろん、宿題は終わっていません。一郎君と二郎君は慌てて宿題に取り組みましたが間に合いませんでした。
翌日、一郎君と二郎君は、学校で先生にいっぱい叱られて半ベソです。けれども、先生は三郎君のことは病気だから仕方ないと、かえって心配しています。だから、一郎君と二郎君はおもしろくありません。一郎君と二郎君は、病気が治って学校に出てきた三郎君に、一番大事なものをよこせと要求しました。実は、三郎君は、なかなか手に入らない貴重なゲームカードを持っていて、宝物にしていることを一郎君も二郎君も知っています。
さて、三郎君は、一郎君と二郎君にその大切なゲームカードを渡さないといけないでしょうか?